知っておきたい!ホルモン補充療法(HRT)について4


Q4 HRTはどれぐらい行われているの?

A 日本での普及が課題 生涯の健康に積極活用を


HRTはさまざまな更年期症状を改善し、将来の骨粗しょう症や動脈硬化の予防にも役立つことはすでに述べましたが、さらに大腸がん予防や認知症予防効果も期待できるとの報告があり、女性にとってはとても有用なものだと思います。現在、欧米の女性の間では広く行われていますが、日本での普及はあまり進んでいません。
 ホルモン薬は「なんとなく怖い」「副作用が強い薬」という誤解や思い込みから、使用をためらっている女性が多いのではないでしょうか。女性ホルモンは、コレステロールを材料に卵巣で作られ、もともと体に持っているものです。恐れることはありません。
 薬ですから、リスクはゼロではありませんが、正しく理解しつつ、上手に使いこなしてほしいと思います。これまで紹介したメリットを積極的に活用して、健やかな人生を手に入れてほしいと願っています。
 

Anetis(アネティス) 2017冬号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2017年12月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【京都府立医科大学 産婦人科学教室 教授/附属病院長 北脇 城(きたわき じょう)さん】

1981年京都府立医科大学卒業。米国バッファロー医学財団研究所留学、社会保険京都病院産婦人科部長等を経て2008年より現職。専門は生殖内分泌学、子宮内膜症、不妊症、女性のヘルスケア、腹腔(ふくくう)鏡下手術など。オフタイムにはドラムス奏者としてステージに立つ。