知っておきたい!ホルモン補充療法(HRT)について2
Q2 どんな薬を使うのですか?
A 飲む、貼る、塗る薬から自分に合ったタイプを
HRTの目的はエストロゲン不足を補うことですが、エストロゲンだけを投与すると、子宮内膜が増殖して子宮体がんのリスクが高まることがわかっています。そのため、もう一つの女性ホルモンである黄体ホルモンを一緒に使い、リスクを避けます。ただし、子宮筋腫などで子宮を摘出している人は、黄体ホルモンを使う必要はありません。
HRTで用いる薬には、エストロゲンだけを含む「エストロゲン製剤」、両方を含む「エストロゲン・黄体ホルモン製剤」、黄体ホルモンのみの「黄体ホルモン製剤」があり、毎日使う方法と、月に5日程度の休薬をはさむ方法があります。また、薬の形状も「飲み薬」「貼り薬」「塗り薬」「膣剤」と、いろいろなタイプがそろっています。向く症状は使い勝手も違いますから、使ってみて合わない場合(例えば、敏感肌なので塗り薬が使いにくいなど)は、医師に相談して別のタイプに変えてもらいましょう。
Anetis(アネティス) 2017冬号 女性の体なんでも相談室より
※こちらは2017年12月時点の情報/記事になります
■ 回答者■
【京都府立医科大学 産婦人科学教室 教授/附属病院長 北脇 城(きたわき じょう)さん】
1981年京都府立医科大学卒業。米国バッファロー医学財団研究所留学、社会保険京都病院産婦人科部長等を経て2008年より現職。専門は生殖内分泌学、子宮内膜症、不妊症、女性のヘルスケア、腹腔(ふくくう)鏡下手術など。オフタイムにはドラムス奏者としてステージに立つ。