産後の回復と2人目妊娠1
Q1 母体はいつごろ回復するの?
A 1カ月検診で状態を確認 無理せず適度に動こう
産後、母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間、約6週間を「産褥期」といいます。子宮は徐々に収縮して元の大きさ(鶏の卵大)に戻り、悪露※の色は赤から透明へと変化し、やがて止まります。切迫早産などで長く安静に過ごしていた方や、帝王切開手術を受けた方は、回復までに少し時間がかかることがあります。
産褥期は、体力・気力・免疫力が低下していますから、授乳など赤ちゃんのお世話を中心に、無理のない範囲で生活しましょう。ただし、妊娠後期から産褥期にかけては血液が固まりやすい状態になっており、血流が悪くなると「血栓症」のリスクが高まります。適度に動くことも大切ですよ。また、悪露が続いている間は膣からの感染を防ぐため、お風呂はシャワーだけにして湯船につかるのは控えましょう。
「1カ月検診」で異常がなければ妊娠前と同じ生活に戻っても大丈夫です。月経が再開する時期には個人差がありますが、授乳中は無月経の方が多いようです。排卵は月経より先に起こるので、次のお子さんとの間を空けたい場合は、月経がなくても避妊が必要です。
※胎盤が剥がれた場所からの出血や分泌物
Anetis(アネティス) 2018夏号 教えて!ドクター妊娠なんでも相談室より
※こちらは2018年5月時点の情報/記事になります
■ 回答者■
【福田病院 病院長 河上 祥一(かわかみ しょういち)さん】
琉球大学医学部卒業。熊本大学医学部付属病院、九州厚生年金病院、水俣市立総合医療センター、飯塚病院などを経て2000年より医療法人社団愛育会福田病院(熊本市)に勤務し、06年1月から現職。専門は周産期、漢方。同病院はハイリスク分娩に対応する地域周産期母子医療センターに指定されており、年間出生数は3770人(17年実績)にのぼる。