意外と知らない!?「基礎体温」のこと4


Q4 体温の変化と気分・体調の関係は?

A 高温相でのイライラがひどい場合は薬で治療を


基礎体温の変化(ホルモンバランスの変化)は精神面にも影響し、一般的に、低温相の時期は気持ちが安定します。一方、高温相ではイライラしたり落ち込んだり頭痛がひどくなったりすることがあります。また、この時期には妊娠に備えて体が水分をためこもうとするので、体がむくみやすくなります。
 基礎体温をつけてみて、明らかに、高温相の時期に感情の起伏が抑えられない場合には、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)という病気の可能性があります。特に、イライラや落ち込み、悲しみなどの気持ちの変化で仕事や育児・家事に支障が出るような場合には、薬による治療をすれば症状が改善することがあるので、産婦人科を受診してみましょう。
基礎体温をつけるのが煩わしければ、月経が始まった日と、1カ月間の気持ちの変化をメモするだけでもOKです。気持ちの変化がそれほど激しくない人も、月経前の時期には、誰でも気分が変わりやすいことを知っておき、自分なりのストレス解消法を見つけておくといいと思います。

Anetis(アネティス) 2015−16冬号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2015年11月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学教室教授 木村 正(木村 ただし)さん】

1985年大阪大学医学部卒業。ドイツ・ハンブルク大学内分泌・生殖研究所客員研究員、大阪府立成人病センター婦人科医長、大阪大学大学院医学系研究科講師などを経て2006年より現職。14年より大阪大学医学部附属病院副病院長兼任。日本産科婦人科学会理事。