知っておきたい!お産の準備について1
Q1 お産が近づくと体はどう変わるの?
A 後期に増えるトラブルに正しい知識で対処を
妊娠30週(8ヶ月後半)を過ぎるころになると、おなかの赤ちゃんが1.5kgほどに大きくなり、お母さんの体にさまざまな影響があらわれます。具体的には、おなかが出てきて体重が増え、骨盤がゆるみ、胸が張ってきて、肩こり・腰痛や手足のむくみ、胃の圧迫感や寝苦しさなどを感じることが増えてきます。膀胱や腸が赤ちゃんに押されるため、頻尿や便秘・下痢に悩まされる人もいます。また、それまでは疲れたときなどに時折、感じていた「おかなの張り」が頻繁になってきます。
こうしたマイナートラブルは多少の差はあれ誰もが経験することで、ほとんどは心配のないものですが、気になる人は定期検診のときなどに、主治医に相談するとよいでしょう。
おなかの張りが強く定期的になってくる場合は、「切迫早産」といって、放っておくと早産になってしまう危険な状態です。また、まれですが、突然の強い腹痛とともにお産の前に胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」が起こることがあり、対処が遅れると母子の命にかかわるため要注意です。まだ正期産(37週以降)に入らないのに定期的なおなかの張りを感じたり、経験したことがないような強い痛みが起こったりしたら、かかりつけの産院になるべく早く連絡しましょう。
Anetis(アネティス) 2017夏号 妊娠なんでも相談室より
※こちらは2017年5月時点の情報/記事になります
■ 回答者■
【東京フェリシア レディースクリニック 院長 小林 肇(こばやし はじめ)さん】
日本医科大学卒業後、ハーバード公衆衛生大学院修士課程終了。同大学客員研究員を務めた後、日本医科大学大学院で医療安全分野の研究により博士号を取得。2014年より現職。ベンチャー企業等でアドバイザーを務めるなど医療分野以外でも活躍。産婦人科専門医、医療安全学会評議員。