産後の心を健やかに3


Q3 産後うつ病は、なぜ起こるのですか?

A さまざまな要因が重なりあって発症します


産後うつ病の治療は、最終的には精神科や心療内科で受けることになりますが、いきなり精神科を受診しにくいかもしれません。その場合はまず、妊婦健診や分娩でかかった産婦人科で、産科医や助産師に相談したり、地域の保健師さんに話したりしてもいいでしょう。また、全国の各都道府県には心の健康保持を目的とした「精神保健福祉センター」があり、うつ病や不眠などの相談にのる「こころの電話相談」を開設しています(番号は、「こころの電話相談」でネット検索できます)。とにかく、できるだけ早く相談して、カウンセリングや薬物療法など専門医の治療を受けることが大切です。
 夫や家族など周囲の人は、家事、育児の手助けをし、お母さんを休ませてあげてください。その際、心がけて欲しいのは、励ましたり、様子を聞きすぎたり、焦らせたりしないこと。「がんばれ」「どうしたの?」「早くよくなって」といった声かけは控えるようにしましょう。

Anetis(アネティス) 2015−16冬号 妊娠なんでも相談室より

※こちらは2015年11月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【葛飾赤十字産院 副院長 鈴木 俊治(すずき しゅんじ)さん】

1988年に長崎大学医学部卒業。日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣を経て米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後に日本医科大学産科婦人科学講師、同助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て2006年より現職。