妊婦さん必見!インフルエンザ&胃腸炎を防ごう4
Q4 どうすれば予防できますか?
A ワクチン摂取と手洗い、うがいの励行が重要
インフルエンザは何よりも予防が重要です。周囲の家族も含めて、本格的な流行が始まる前に、インフルエンザワクチンの接種を受けてください。ただ、妊娠初期には、可能なら接種を控えたほうがいいという説もあります。現在妊娠初期の人は、接種時期を産婦人科医と相談しましょう。卵アレルギーの人は強い副反応が出る恐れがありますから、摂取するかどうか、かかりつけ医と検討してください。
インフルエンザワクチンの多くには、防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)が入っており、以前、このチメロサールが胎児の自閉症を誘発するのではないかと言われたことがあります。その可能性は否定されています。気になる人はチメロサールが入っていないワクチンを摂取することになりますが、それにこだわりすぎて接種の時期を逃してしまうほうが、もっと不利益です。その場合、通常のワクチンを接種しても問題はありません。
妊娠中は、ワクチン接種後も人混みを避け、手洗いとうがいの励行、マスクの着用といった感染症対策をいつも以上にしっかりするようにしましょう。加湿器などを上手に使って部屋の乾燥を防ぐことも大切です。上のお子さんがインフルエンザに感染したときなどには、妊婦さんに対して抗インフルエンザ薬が予防的に投与されることもあります。
感染性胃腸炎を予防するには、食品をしっかり加熱する、調理器具を消毒する、部屋を清潔にするといった配慮も必要です。元気な赤ちゃを産むためにも、十分な休養・睡眠とストレス解消を心がけ、免疫力を高めるようにしましょう。
Anetis(アネティス) 2017冬号 妊娠なんでも相談室より
※こちらは2017年12月時点の情報/記事になります
■ 回答者■
【医療法人社団成茶会 駅前三軒茶屋みずもと レディースクリニック 水本 賀文(みずもと よしふみ)さん】
1986年防衛医科大学校卒業。防衛医科大学病院で研修後、自衛隊中央病院産婦人科勤務。93年防衛医科大学校医学研究科(大学院)へ。在学中にドイツ・ハンブルク大学付属研究所へ留学。99年自衛隊中央病院産婦人科に復職。2003年同科副部長、07年同科部長。14年9月より現職。