知っておきたい!「立ち合い出産」について1
Q1 「立ち合い出産」は増えているの?
A 夫の立ち合いが約6割 この5年で2割増加
分娩中、産婦さんに家族など身近な人が付き添うお産のスタイルを「立ち合い出産」といいます。付き添う人は夫や母親、姉妹、友人など、産婦さんが望む人ならだれでもよく、人数の制限もありません。一族全員に立ち会ってもらってもOKです。
立ち合い出産は今から20〜30年前、「ラマーズ法」※が導入されたのと同時期に欧米から入ってきて、徐々に日本に根付きました。付き添い人は”バースパートナー”と呼ばれ、お産の苦労や感動をともに分かち合います。米国などでは助産師が寄り添う習慣がないため「産婦さんが孤独に陥りやすい」ことや、「分娩が密室での処置にならないよう見守る」意味合いもあり、立ち合い出産が一般化しています。
厚生労働省が2011年に行った調査によると、日本では経膣分娩の約6割が「夫の立ち合い出産」で(図参照)、5年前の調査に比べ約2割増えています。夫の立ち合いには、「妻へのいたわりや愛情が増加する」「出産の喜びや感動が共有できて、夫婦の連帯感が強まる」「早期から父親の自覚が芽生えて育児の協力意識が高まる」などのメリットがあるといわれています。
※ラマーズ法:呼吸法によって陣痛の痛みをやわらげる分娩法
Anetis(アネティス) 2015 秋号 妊娠なんでも相談室より
※こちらは2015年8月時点の情報/記事になります
■ 回答者■
【葛飾赤十字産院 副院長 鈴木 俊治(すずき しゅんじ)さん】
1988年に長崎大学医学部卒業。日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣を経て米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後に日本医科大学産科婦人科学講師、同助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て2006年より現職。