病気ですか?不正出血の見分け方1


Q1 不正出血とはどのようなものですか?

A 月経以外の性器出血はすべて不正出血です


「この出血は、もしかして不正出血?」と不安になった経験を、多くの女性がもっていると思います。実は、出血だけを見ても、不正出血かどうかわかるわけではありません。一般に、「月経以外の性器出血」はすべて不正出血と呼ばれます。月経と区別するためには、そもそも月経とはなにかを知っておく必要があります。
 月経は、「約1カ月の間隔で自発的に起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血」と定義されます。周期(月経初日〜次の月経の前日までの日数)や経血量、持続期間などには個人差がありますが、「正常範囲」(下表参照)に収まっていれば問題はありません。
不正出血を見分けるポイントは、①「周期性」があるか②普段の月経と異なっていないか、の2点です。性器出血が不規則に起こったり、月経の周期が長い(短い)、経血量が多い(少ない)、持続期間が長い(短い)など「いつもと違う」と感じた場合は要注意です。
 不正出血は、女性の体調不良や病気の可能性を示すサインです。うっかり見過ごさないように、しっかり把握しておくことが大切です。

Anetis(アネティス) 2017夏号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2017年5月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【獨協医科大学付属越谷病院 産科婦人科 主任教授・診療部長 高倉 聡(たかくら さとし)さん】

1990年東京慈恵会医科大学卒業。同大学附属病院産婦人科診療医員、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)研究所国内留学、東京慈恵会医科大学付属病院産婦人科診療医長等を経て現職。日本産科婦人科学会代議員、日本臨床細胞学会・日本婦人科腫瘍学会評議員。専門は婦人科腫瘍など。