「遺伝性のがん」とは、どんな病気?2


Q2 発症リスクが高いのはどんな人?

A 血縁者に関連がんが多いか確認を


遺伝性のがんの主な特徴は、祖父母、親、兄弟姉妹、おば、いとこなど「家系内の血縁者に関連がんを発症している人が多い」こと、通常は50代以上で発症するがんに「若くしてなるリスクがある」ことです。また、両側の乳房にがんを発症したり、乳がんの後、卵巣がんになったりするなど、「複数のがんを経験する」人も少なくありません。
 ジョリーさんが遺伝性乳癌卵巣癌の検査を受けたのは、母方の家系に乳がんや卵巣がんが多かったからだと言います。ジョリーさんの母親は、卵巣がんになって56歳で亡くなり、母方の祖母を卵巣がん、叔母(母親の妹)も乳がんで失っています。
 リンチ症候群では、大腸がんだけではなく、血縁者に子宮体がんなど関連するがんになった人がいないかを確認することが大切です。

Anetis(アネティス) 2015 秋号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2015年8月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【熊本大学大学院生命科学研究部 産科婦人科学分野教授 片渕 秀隆(かたぶち ひでたか)さん】

1982年熊本大学医学部卒業。ジェンズ・ホプキンス大学医学部病理学講座研究員、熊本大学医学部講師、同助教授などを経て、2004年より同大大学院医学薬学研究部教授、10年の組織改編により現職。日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会委員長、日本癌治療学会理事、日本癌学会評議員、日本婦人科腫瘍学会常務理事、日本婦人科がん検診学会副理事長など。