意外と知らない!?「基礎体温」のこと1


Q1 基礎体温には、どんな意味があるの?

A 低温相と高温相があり 体のリズムが分かります


基礎体温は、朝の安静時の体温のことです。できるだけ目覚めてすぐ、トイレへ行ったり体を動かしたりする前に、横になったまま舌の下へ「基礎体温計」を入れて測り、記録をつけておきます。自動的に記録ができるタイプや、スマートフォンやパソコンにデータ送信できる基礎体温計も販売されています。
 性成熟期女性の基礎体温は、低温相と高温相の2相に分かれているのが特徴です。周期が28日型の場合、月経が始まってから排卵するまでの約2週間は、卵巣にある卵胞(卵子を包む袋のような組織)が成熟する「低温相」(卵胞期)です。卵胞がはじけて排卵すると2〜3日で0.3〜0.5度体温が上がります。そこから約2週間は、卵巣が黄体ホルモンを分泌し、受精卵の着床に備えて子宮内膜が厚くなる「高温相」(黄体期)です。黄体ホルモンが出ると、脳に「体温を上げろ」という指令が出ます。
 実際には、同じ低温相・高温相でも日によって基礎体温が一定ではなく、記録してみると少しギザギザした感じになります。ある程度、周期的に2相に分かれていれば問題がないことが多いので、あまり神経質になり過ぎなくてもいいです。

Anetis(アネティス) 2015−16冬号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2015年11月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学教室教授 木村 正(木村 ただし)さん】

1985年大阪大学医学部卒業。ドイツ・ハンブルク大学内分泌・生殖研究所客員研究員、大阪府立成人病センター婦人科医長、大阪大学大学院医学系研究科講師などを経て2006年より現職。14年より大阪大学医学部附属病院副病院長兼任。日本産科婦人科学会理事。