産後の心を健やかに4


Q4 産後うつ病は予防できますか?

A 産後の生活をイメージし協力態勢を整えておこう


専業主婦で3世代同居が一般的だった時代の女性は、産後の育児中心の生活を容易に想像できたし、周囲の手助けも得られたでしょう。一方、核家族化が進み、働く女性が増えた現代では、育児のストレスを、より強く感じてしまう傾向があると思います。欧米のようには男性の育児参加が進んでいないことも、女性の負担を重くしています。
 産後うつ病を予防するためには、妊娠中から出産後の生活を具体的にイメージし、夫婦でどのように協力するのか、実家や保育園のサポートは得られるのかなど、よく話し合って準備しておくとよいでしょう。夫や家族は、お母さんが十分に休養をとり、自分の時間をもてるようにしてあげることが大切です。ママ仲間とランチやおしゃべりをしたり、赤ちゃんを預けて美容院に行ったりできると、いい気分転換になると思います。
 家事・育児が重荷に感じるときは、物事の優先順位をつけ、緊急性の乏しいものはすべて後回しにしてしまいましょう。少しぐらい手を抜いても大丈夫、赤ちゃんは案外、たくましく育っていくものです。
 母乳へのこだわりが強いお母さんは、授乳がうまくいかないと不安が大きくなるため、産婦人科の母乳外来などで早めに相談するようにしてください。

Anetis(アネティス) 2015−16冬号 妊娠なんでも相談室より

※こちらは2015年11月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【葛飾赤十字産院 副院長 鈴木 俊治(すずき しゅんじ)さん】

1988年に長崎大学医学部卒業。日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣を経て米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後に日本医科大学産科婦人科学講師、同助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て2006年より現職。