「性差医療」って何ですか? 4


Q4 性差医療に産婦人科が果たす役割は?

A 何でも相談できるかかりつけ医に


性差医療は、米国でも日本でも、心臓や血管の病気を診る循環器内科医を中心に進んだ面があります。ただ、これまでお話ししてきたように、女性の健康は一生、女性ホルモンに左右され、閉経前と閉経後では注意すべき疾患が大きく変わります。このような視点を持ち、ライフステージに応じて女性の体をトータルに診られるのが産婦人科医なのです。
 閉経前の20代から40代は、女性ホルモンによって増える婦人科系の病気が多い時期で、月経の管理が重要です。子宮頸がんの定期検診も忘れずに受けましょう。また、更年期から閉経後は、骨粗しょう症、脂質異常症、糖尿病、高血圧などに加え、乳がん、子宮体がん、卵巣がんといった病気にも注意が必要です。
 妊娠・出産や婦人科系の病気だけでなく、頭痛やイライラ、不眠といった日常の小さな不調や性に関する悩みも、産婦人科で気軽に相談してください。自分の健康についてトータルに相談できる産婦人科医を、かかりつけ医にしましょう。

Anetis(アネティス) 2016春号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2016年2月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【東京女子医科大学 産婦人科学講座講師 石谷 健(いしたに けん)さん】

1994年慶應義塾大学医学部卒業。国立病院機構東京医療センター産婦人科勤務後、ハーバード大学医学部に留学し婦人科がんの疫学研究に関わる。2014年より現職。専門は婦人科がんの治療、ホルモン補充療法、漢方療法など。