病気ですか?不正出血の見分け方4


Q4 受診が必要なのはどんなとき?

A 不規則で繰り返す出血は早めの受診が必要


不正出血の中でも特に気をつけてほしいのは、不規則な出血が繰り返し起こったり、出血が長期間続いたりした場合です。そうした出血は子宮頸がんや子宮体がんの症状である可能性があります。なるべく早く産婦人科を受診し、検査を受けるようにしましょう。
 とはいえ、不正出血は比較的、頻繁に起こるものなので、そのたびに産婦人科に行くのはたいへんかもしれません。そこでおすすめしたいのが、定期的な「子宮頸がん検診」です。自治体の検診を2年に1回、きちんと受けておけば、ほとんどの場合、ごく初期のうちにがんを見つけられます。最も怖い病気はすでにチェックできているので、慌てずに済むでしょう。
 子宮体がんにかかる人が増えるのは閉経後ですが、更年期の発症もまれではありません。卵巣機能の衰えによる月経不順なのか、子宮体がんの症状なのかまぎらわしいケースもあるので、心配な人は体がんの検査も受けておくと安心ですね。
 その他、月経の量が増えたと感じたり、職場の健診などで貧血を指摘されたりした場合は、「月経過多」の症状があらわれる子宮筋腫や子宮腺筋症が疑われます。早めに産婦人科を受診するようにしましょう。

Anetis(アネティス) 2017夏号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2017年5月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【獨協医科大学付属越谷病院 産科婦人科 主任教授・診療部長 高倉 聡(たかくら さとし)さん】

1990年東京慈恵会医科大学卒業。同大学付属病院産婦人科診療医員、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)研究所国内留学、東京慈恵会医科大学付属病院産婦人科診療医長等を経て現職。日本産科婦人科学会代議員、日本臨床細胞学会・日本婦人科腫瘍学会評議員。専門は婦人科腫瘍など。