知っておきたい!お産の準備について4


Q4 産後に向けて心がけておくことは?

A 「こうあるべき」にはとらわれないで


赤ちゃんを自宅に迎える前に整えていただきたいのは、安全に過ごせる環境です。犬や猫などペットがいるご家庭には、ベビーベッドがおすすめです。また、赤ちゃんを連れて退院するときに自家用車を使う場合は、チャイルドシートを忘れずに正しく装着してください。
 育児が始まると、生活は赤ちゃん中心になり、お母さん自身の健康は二の次になりがちです。栄養と休養を十分にとり、お産で疲れた体を回復させましょう。特に水分補充は重要で、授乳中は脱水にならないよう、1日2ℓ以上の摂取を心がけましょう。
 産後2週間位ぐらいの間は、心身ともに疲れてイライラしたり、マタニティーブルーと呼ばれる心の落ち込みを経験する人が少なくありません。思うように母乳が出なかったりすると、ダメな母親だと自分を責めてしまう人もいます。母乳が出る、出ないは子供への愛情とは無関係です。「母親はこうあるべき」という従来の考え方にとらわれず、ときには赤ちゃんの世話をパパにまかせてリフレッシュしてください。
 赤ちゃんの体重が増えない、夜泣きが激しい、便秘が続くなど、育児は思い通りにいかないもの。さまざまな悩みを頭の中で考え込むと疲れてしまいます。メモに書きだして、解決したら消していくようにすると、客観的に悩みを確認できてよいです。お産も育児も人それぞれ千差万別なものです。時間的・精神的にゆとりを持ってスマートに楽しんでほしいと思います。

Anetis(アネティス) 2017夏号 妊娠なんでも相談室より

※こちらは2017年5月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【東京フェリシア レディースクリニック 院長 小林 肇(こばやし はじめ)さん】

日本医科大学卒業後、ハーバード公衆衛生大学院修士課程終了。同大学客員研究員を務めた後、日本医科大学大学院で医療安全分野の研究により博士号を取得。2014年より現職。ベンチャー企業等でアドバイザーを務めるなど医療分野以外でも活躍。産婦人科専門医、医療安全学会評議員。