知っておきたい!お産の準備について3


Q3 入院までの一般的な段取りは?

A お産の兆候が見られたら自分で産院に連絡を


お産は、子宮が収縮して徐々に子宮口が開いていく穏やかな段階と、子宮口が5〜6cmに開かれお産がスピードアップするアクティブな段階を経て進んでいきます。お産のスタート地点を見極めるのはなかなか難しいのですが、おなかの張り(陣痛)が10分おきに定期的に来るようになったら、病院に電話をかけ、入院の準備をしましょう。経産婦さんの場合は初産のときより早く進むことが多いので、前回の分娩経過にもよりますが15〜20分おきになったら連絡してください。
 陣痛よりも先に破水した場合(「前期破水」)といいます)も、産院に連絡してください。破水は、赤ちゃんを包む卵膜が破れて羊水が漏れ出た状態です。放っておくと感染のリスクが高まるため、早めの受診が必要です。
 その他、子宮口が開いてくると小さい血管が切れて「おしるし」と呼ばれる出血が見られることがあります。おしるしがあってもすぐに入院とはならない場合もありますが、お産の兆候の一つです。
 電話はできるだけ本人が直接、かけるようにしてください。①名前②診察券番号③出産予定日・妊娠週数④陣痛、破水、出血などの症状をしっかり伝え、どうしたら良いか指示を受けましょう。

Anetis(アネティス) 2017夏号 妊娠なんでも相談室より

※こちらは2017年5月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【東京フェリシア レディースクリニック 院長 小林 肇(こばやし はじめ)さん】

日本医科大学卒業後、ハーバード公衆衛生大学院修士課程終了。同大学客員研究員を務めた後、日本医科大学大学院で医療安全分野の研究により博士号を取得。2014年より現職。ベンチャー企業等でアドバイザーを務めるなど医療分野以外でも活躍。産婦人科専門医、医療安全学会評議員。