ママの元気が赤ちゃんの幸せ「休む」「眠る」を心がけましょう3


10人に1人が「産後うつ」に育児は周囲の手を借りて


産褥期には精神面の不調も起こりやすく、軽いものも含めると3~4割の人に「涙もろくなる」「気分がふさぐ」「眠れない」などの精神症状が出ます。つらさが2週間以上続く場合は、「産後うつ」が疑われます。産後うつになるのは10人に1人といわれ、重症化すると自殺に至ることもあり、あなどれません。
産後の心の不調を早期に発見し、治療につなげようと始まったのが、「産後2週間健診」です。現在は、多くの自治体で費用助成などが行われています。健診では、お母さんの心身の状態をチェックし、必要に応じて精神科を紹介したり、助産師が授乳指導を行ったりしてサポートします。核家族化が進んで祖父母の協力も得にくくなり、頼りの夫は仕事に忙しく、育児に孤軍奮闘せざるを得ないお母さんが増えています。育児支援を行う産後ケア施設も徐々に増えてはいますが、母子を支える仕組みは、まだまだ不十分だと感じています。
お母さんは、日々、赤ちゃんのお世話に一生懸命で、自分のことは後回しになりがちです。しかし、お母さんが元気でいてくれないと、赤ちゃんを育てることはできません。大事な赤ちゃんのためにも、「ゆっくり休み、しっかり眠る」ことが肝心です。1日が無理なら数時間でもいいので、赤ちゃんを家族などに預けて、しっかり睡眠をとるようにしてください。

Anetis(アネティス) 2019春号 お産と産後のHappy アドバイス

※こちらは2019年3月時点の情報/記事になります


■ 回答者■

三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座産科婦人科学 教授
同大学医学部付属病院 副病院長 池田 智明(池田 智明)先生