夏の冷え&貧血から体を守ろう!4


Q4 冷え症や貧血を改善するには?

A 体の冷やし過ぎに注意 食事の内容も見直そう


貧血は鉄剤で治療します。自分でできる改善・予防法としては、血液のもととなる鉄やたんぱく質、鉄を吸収しやすい形に変えるビタミンC、血液の生成を助けるビタミンB群を多く含む食品の摂取を心がけることが大切です。
日本人食事摂取基準では、月経のある女性には1日10.5mg、妊娠中期・後期には20代で21mg、30〜40代で21.5mgの鉄摂取を推奨しています。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2016年)によると、どの年齢でも女性の鉄摂取量は大幅に不足しています。鉄、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの多い食品を積極的にとりましょう。食事だけで必要量を摂取するのが難しければ、サプリメントで補う方法もあります。
また、冷え症を改善・予防するには、室内の温度を調節し、素足やミニスカートなどは避け、普段から上着やひざ掛けを使って、体を冷やさないことが重要です。就寝前には、夏でも、湯船につかって体を温めるようにしましょう。適度な運動も効果的です。
喫煙は血管を収縮させ血行を悪くするので、タバコを吸っている方は禁煙しましょう。
東洋医学では、夏野菜のトマト、キュウリ、ナスやコーヒーなどは体を冷やすとされています。冷え性の人はとり過ぎに注意しましょう。逆に体を温める食べ物は、生姜、ニンニク、唐辛子、カボチャ、ネギなどです。
なお、栄養不足や偏食は冷え症や貧血につながりやすいので、過度のダイエットは禁物です。

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Anetis(アネティス) 2018夏号 教えて!ドクター妊娠なんでも相談室より

※こちらは2018年5月時点の情報/記事になります


■ 回答者■

【山形大学医学部付属病院 産科婦人科助教 山谷 日鶴(やまたに ひづる)さん】

山形大学医学部卒業、2013年同大学大学院修了、医学博士。日本産科産婦人科学会専門医・指導医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。主に思春期や、更年期、高齢期の女性の不調を診療するナイスミディー外来を担当している。