知っておきたい!妊娠後期のマイナートラブル4


Q4 おなかの張りを感じたときは?

A 長く続いたり、痛みが増してきたら産院に連絡


「おなかが張る」というのは、子宮の筋肉が収縮している状態です。本格的な陣痛の前の予行演習のようなもので、妊娠後期になると張りを感じる回数は増えてきます。張りをどのように自覚するかには個人差があり、「お腹が重苦しい」「硬くなってくる」「キューッと縮む感じ」など、さまざまです。張るタイミングも人それぞれで、胎動に伴って起きたり、疲れたり冷えたりしたときなどにも起こりやすいようです。
おなかの張りを感じたときは、しばらく安静にて様子をみることが大切です。楽な姿勢で座るか、可能なら横になって休みましょう。30分以上に張りが治るときは、生理的なものですから心配はいりません。
ただし、張りが30分以上続いたり、痛みや出血を伴ったりする場合は、放っておくと早産になってしまう「切迫早産」かもしれません。痛みがどんどん強くなる場合は、胎盤が剥がれて母子ともに危険な状態になる「常位胎盤早期剥離」の可能性もあります。そのようなときは、すぐにかかりつけの産院に連絡しましょう。
妊娠後期のトラブルのほとんどは、よくあるマイナートラブルですが、早めの対処が必要なケースもあります。夜間や休日を含め。緊急時の産院への連絡方法は、必ず確認しておくようにしてください。お産までもう一息。残りの妊娠生活をリラックスして楽しみましょう。

Anetis(アネティス) 2018春号 教えて!ドクター妊娠なんでも相談室より

※こちらは2018年3月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【なないろレディースクリニック院長 黒田 勇二(くろだ ゆうじ)さん】

愛媛大学医学部卒業。同医局部産婦人科助手、愛媛県八幡浜市八幡浜総合病院、国際医療福祉大学講師、山王病院(東京都港区)リプロダクションセンター勤務等を経て2007年「なないろレデースクリニック」(茨城県つくば市)を開院し院長に。希望あふれる未来への懸け橋(虹)となるよう「なないろ」と名付けた。日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、新生児蘇生法認定インストラクター。