妊婦さん必見!インフルエンザ&胃腸炎を防ごう1


Q1 妊娠中は重症化しやすいのですか?

A かかりやすく、重症化しやすいので要注意


日本では例年、冬にインフルエンザや感染性胃腸炎が流行します。
 本格的な感染症シーズン到来に備えて知っておきたいのは、妊娠中は、お母さんの体の免疫機構に変化が起こることです。赤ちゃんはお母さんにとっては異物なので、拒絶反応が起きないように、ウイルスなどの外敵を攻撃する免疫細胞が減るなど、「母体の免疫機能の低下」がみられるのです。その一方で「母体を守る機能」も働くため、免疫機能が病的に低下しているわけではありませんが、「インフルエンザや胃腸炎にかかりやすい」という自覚は持っておいたほうがよいでしょう。
 妊婦さんがインフルエンザにかかると「重症化しやすい」との報告もあります。特に妊娠後半になってからインフルエンザに感染すると、肺炎などの合併症を起こしやすく、妊娠していない人に比べて、入院するリスクが3〜5倍になります。
 また、妊娠初期につわりがひどく、食事をしてもすぐに吐いてしまうような状態が続くと、脱水気味となり体力が低下してしまいます。そういったときにインフルエンザや胃腸炎などに感染すると、重症化して入院が必要になったり、回復が遅くなったりする恐れがあります。日ごろからの予防が重要です。

Anetis(アネティス) 2017冬号 妊娠なんでも相談室より

※こちらは2017年12月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【医療法人社団成茶会 駅前三軒茶屋みずもと レディースクリニック 水本 賀文(みずもと よしふみ)さん】

1986年防衛医科大学校卒業。防衛医科大学病院で研修後、自衛隊中央病院産婦人科勤務。93年防衛医科大学校医学研究科(大学院)へ。在学中にドイツ・ハンブルク大学付属研究所へ留学。99年自衛隊中央病院産婦人科に復職。2003年同科副部長、07年同科部長。14年9月より現職。