意外と知らない!?「基礎体温」のこと3


Q3 病気が疑われるのはどんなとき?

A 2相に分かれないときや 高温相が短い人は要注意


基礎体温を1〜2カ月つけてみると、低温相と高温相、排卵の時期といった自分の周期がある程度分かります。性成熟期であるにもかかわらず、低温相と高温相の2相にはっきり分かれないようなときには、排卵が起こらない「無排卵」の恐れがあるので、産婦人科を受診してみてください。無排卵の状態が続くと妊娠ができませんし、「子宮内膜増殖症」や「子宮体がん」のリスクが上がります。
また、高温相が12日未満と短いときには、黄体ホルモンの分泌が不足する「黄体機能不全」の可能性があります。交代機能不全で妊娠を望んでいる人には、黄体ホルモン補充などをすることもあります。
 さらに、40代で基礎体温をつけている人は、周期の変化から更年期の訪れを知ったり、月経以外の不正出血に早く気づいたりできるなどの利点があります。不正出血は子宮頸がん、子宮体がんや卵巣腫瘍のサインかもしれないので、できるだけ早く産婦人科を受診してください。

Anetis(アネティス) 2015−16冬号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2015年11月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学教室教授 木村 正(木村 ただし)さん】

1985年大阪大学医学部卒業。ドイツ・ハンブルク大学内分泌・生殖研究所客員研究員、大阪府立成人病センター婦人科医長、大阪大学大学院医学系研究科講師などを経て2006年より現職。14年より大阪大学医学部附属病院副病院長兼任。日本産科婦人科学会理事。