知っておきたい!女性ホルモンの働き4


Q4 上手に付き合う方法は?

A ストレス、ダイエットは大敵産婦人科で気軽に相談を


女性ホルモン分泌の指令を出している脳は、ストレスの影響を受けやすく、過労や環境の変化によって分泌のリズムが無駄れてしまうこともあります。また、無理なダイエットをして体重が急減すると、「今は飢餓状態だ」と脳が判断し、女性ホルモン分泌を抑えて排卵をストップさせます。飢餓状態で妊娠すると母子の命にかかわるため、そうした仕組みが備わっているのです。ストレスをゼロにするのは難しいと思いますが、こまめに解消することを心がけましょう。月経不順や無月経につながるような過剰なダイエットは禁物です。
閉経の前後、約10年間の更年期には、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。一直線に降下するわけではなく、減ったり増えたり、乱降下を繰り返しながら減少していきます。この「ゆらぎ」が、ほてりやのぼせ、不眠、不安といった更年期障害の症状を引き起こします。こうした症状は治療ができますから、産婦人科で気軽に相談してください。
思春期から更年期を過ぎるまで、女性の健康は女性ホルモンの影響下にあります。
上手に付き合って、健やかにすごしてほしいと思います。

Anetis(アネティス) 2017春号 女性の体なんでも相談室より

※こちらは2017年3月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 女性健康医学講座 教授 寺内 公一(てらうち まさかず)さん】

1994年東京医科歯科大学卒業。2005年米国エモリー大学フェロー。2016年より現職。日本女性医学学会・日本女性心身医学会・日本骨粗鬆症学会・日本抗加齢医学会・北米閉経学会認定医。女性ヘルスケア分野にて幅広く活動中。