産後うつは、こうして防ごう! 3


Q3 予防のために家族ができることは?

A 育児・家事の分担や心理的サポートが必要


 

育児や家事を一人で頑張り過ぎると、「産後うつ」を発症するリスクが高くなります。なるべく夫婦で分担し、他の家族など周囲の力も借りて、ママが十分休めるようにしましょう。
普段、仕事で帰宅が遅くなるパパにも、できることはあります。それは、ママの心理的なサポートです。日中、一人で育児をしているママは孤独に陥りやすく、自信をなくしてしまうことがよくあります。そんなときは、パパがお子さんの様子やママの体調を優しくたずねたり、育児をねぎらう言葉をかけてあげたりすることが必要なのです。
また、家族がプレッシャーをかけないことも大切です。実の母親やしゅうとめと育児方針が異なったり、「私はもっと大変だったけど頑張った」などとプレッシャーをかけたりすることが、うつの引き金になることもあるので注意しましょう。
ただし、どんなに配慮しても産後うつを発症する場合があります。パパや他の家族は、いつもと違うママの様子に早く気づいてあげてください。そして一緒に、専門医を受診するようにしましょう。

 

【耳寄りな話】

夫も「産後うつ」を発症するリスクあり!?

国内外の研究で、実は、産後ママを支えるパパ(夫やパートナー)も、産後のうつになることがわかってきました。リスクのひとつに、「妻が産後うつ」があります。
男性の側も仕事が忙しい世代ですから、夫婦で頑張り過ぎないようにしましょう。
育児支援ヘルパーを派遣している自治体もあるので、そういった支援を上手に活用することが大切です。

 

Anetis 2016秋号妊娠なんでも相談室より

※こちらは2016.9.28時点の情報/記事になります

 


■ 回答者■

2016aw-ninshin-01【東北大学病院精神科院内講師  菊地 紗耶(きくちさや)さん】

2002年新潟大学医学部卒業。宮城県立精神医療センターなどを経て、07年より東北大学 病院精神科勤務。08年より「周産期メンタルケア外来」を担当。日本周産期メンタルヘ ルス学会評議員。

 

2016aw-ninshin-02【東北大学病院周産母子センター准教授 西郡 秀和(にしごおり ひでかず)さん】

1993年群馬大学医学部卒業。カナダのウェスタン・オンタリオ大学産婦人科留学、岩手 医科大学講師などを経て、2011年に東北大学講師、14年より現職。日本産科婦人科学会 幹事、日本周産期メンタルヘルス学会理事