「おなかが張る」って、どういう状態? 4


Q4 トラブルを防ぐためにできることは?

A リスクを見極め慎重に観察 家族は一致団結して協力を


前の妊娠のときに、「頸管無力症」「切迫早産」「前期破水」(陣痛が来る前に破水する場合)の既往がある妊婦さんは、次回妊娠も同様な結果に至るリスクがあります。悲しい思いを繰り返すことのないよう、周産期専門医と相談しながら、妊娠経過を慎重にみてください。特に、妊娠30週(平均1500gの赤ちゃんになる)くらいまでの経過観察が重要です。
妊婦検診の際に、切迫早産徴候のため自宅安静を指示された場合、その妊娠週数をまず確認してください。妊娠週数が早期であればあるほど流早産のリスクが高いという大きな特徴があります。
おなかがそれほど大きくない時期は、周囲の人もあまり配慮してくれないかもしれませんし、妊婦さん自身も家事や仕事などを妊娠前と同様にこなそうとしがちですが、無理は禁物です。妊娠初期の段階から過労やストレス、冷えなどに十分注意して、新進ともにリラックスすることを心がけましょう。家族が一致団結して、「小さな命」を守るために、ご協力いただきたいと思います。

Anetis(アネティス) 2016春号 妊娠なんでも相談室より

※こちらは2016年2月時点の情報/記事になります


■ 回答者■


【富山大学産婦人科 講師・医局長 米田 哲(よねだ さとし)さん】

1996年富山医科薬科大学(現:富山大学)医学部卒業。同産科産婦人科学教室へ入局。
東京の愛育病院(産科学)、鹿児島市立病院(新生児学)で研修を積み、周産期専門医取得。
「小さな命」を守るためにやるべき仕事に精通。